こんにちは、ACです。
日本人であれば。きっと一度は口にしたことがある『出汁』。
顆粒出汁は、とても簡単かつ美味しいく、現代では欠かせない存在となっています。一方で、昆布や鰹節で丁寧に取った出汁は、顆粒出汁とはまた違った奥深い味わいがあります。
今回は、顆粒出汁と天然出汁で作る出汁の基本的な違い、成分、健康への影響について解説していきます!
顆粒出汁と天然出汁の基本的な違い
顆粒だし
顆粒出汁とは、鰹節、昆布、煮干しなどの出汁原料と、塩、アミノ酸などの調味料を粉砕、混合し、顆粒状にしたものです。お湯に溶かすだけで簡単に出汁を作ることができます。インスタントの味噌汁などにも使用されています。
忙しい日や、安定した味の料理を簡単に作りたい時などの非常に便利です。
天然出汁
天然出汁には、鰹節や、昆布、煮干し (いりこ) 、椎茸などが一般的に利用されます。天然出汁は乾物であることから、熱する前に水に浸しておくなどひと手間必要ですが、自然素材ならではの複雑な味、香りを味わうことができます。
独特な風味を料理に活かしたい時や、調味料の量などを自分で調整したい場合に適しています。
栄養成分の比較
顆粒出汁と天然出汁は、含まれている成分の種類はほぼ同じです。
一方で、含まれている成分の濃度は大きく異なります。
下記に、わたしが学生時代に調査した食品メーカーの顆粒出汁と、スーパーに売っている鰹節から取った出汁の成分を比較した表を載せました。
成分 | 顆粒出汁 | 天然出汁 |
ナトリウム | 1256pm | 121ppm |
カルシウム | 5ppm | 6ppm |
カリウム | 26ppm | 252ppm |
マグネシウム | 6ppm | 12ppm |
グルタミン酸 | 2400ppm | 147ppm |
アラニン | 6.7ppm | 6.1ppm |
糖度 | 0.5% | 0.3% |
顆粒出汁はメーカー推奨の濃度に溶かした液体、天然出汁は論文報告されている最も旨味が抽出される方法で調整した液体で比較しました。成分の種類は簡易測定器で測定可能なもののみ調査しています。顆粒だしは昆布顆粒出汁、天然だしは乾燥昆布を使用しています。⚠あくまで個人が調査した一例であり、全ての顆粒出汁および天然出汁に同じことが言えるわけではありません。
表より、顆粒出汁は、調味料のナトリウムおよびグルタミン酸の濃度が高く、天然出汁は、カリウムの濃度が高く、ナトリウムおよびグルタミン酸の濃度が顆粒だしよりも1/10以下であることがわかりました。
ナトリウムは、人の味覚では非常に塩味を感じやすい成分です。またグルタミン酸は味の素と同じ成分であり、旨味を強く感じる成分です。顆粒出汁には、豊富な旨味、塩味が既に美味しいと感じる濃度で調整されていることが考えられますね。
健康への影響
顆粒出汁を使うことで健康への影響はあるのでしょうか?
結論としては、栄養成分の比較表からもわかるように、含まれている主成分の種類はほとんど変わらない (微量成分は除く) ことから、健康への影響はほぼないと考えられます。
ただ、顆粒出汁には塩分が天然出汁よりも多く含まれていることから、摂取する塩分が多くなる可能性があるため、顆粒出汁を使用した際は、その他の調味料を控える方が良いでしょう。
使い分けのコツ
顆粒出汁、天然出汁はどちらも美味しく、またメーカーによって特有の味を楽しめることから、手軽に作りたい時は顆粒出汁、本格的に作りたい時は天然出汁を使うことをオススメします。顆粒、天然にこだわらず、どちらも調味料と考えて使用することで、味付けのバリエーションが増え、より一層料理が楽しくなると思います。
また、出汁にも鰹節、昆布、煮干し、椎茸など使用されている出汁素材によって違った味わいであることから、素材ごとに使い分けるのも楽しいかもしれません。
まとめ
顆粒出汁、天然出汁は、含まれている成分はほとんど変わらず、濃度に違いがあることがわかりました。顆粒出汁を使用する場合は、塩分に注意しましょう。減塩顆粒出汁などを利用するのも良いかもしれません。
出汁について少しでも理解が深まれば幸いです!