こんにちは!ACです。
食事にパンやラーメン、パスタなどを食べた後に眠くなったことはありませんか?
筆者は、朝は玄米派なのですが、たまにパンを食べたくなったり、お昼は簡単にラーメンで済ませることがあります。そんな日は決まって、なんとなく眠くなりやすいな〜・・・と感じます。
昨今ネットやテレビなどでは、
全粒粉パンに変えると眠くなくなる!
グルテンフリーで身体をスッキリ!
など様々な情報が世に出始めています。
今回は、小麦粉を取るとなぜ眠くなるのか?という疑問について、栄養学的な視点を交えて客観的に解説していきます!
眠気と血糖値の関係
まずはじめに、血糖値と眠気の関係を考えてみましょう。
炭水化物を含む食事を取ると、炭水化物が胃で消化されグルコースとなり、体内の血糖値が上昇します。血糖値とは、血液中のグルコース濃度のことです。
血糖値が上昇すると、次にインスリンが分泌されます。インスリンは、体内の血糖値を正常値に下げるために分泌されます。このとき、血糖値が急上昇すると、インスリンが過剰に分泌され、血糖値が急降下します。この血糖値の急降下により、脳に供給されるグルコースが不足し、眠気やだるさを引き起こします。
血糖値が急上昇する原因は、
- 炭水化物の過剰摂取
- GI値
- 血糖値スパイク
上記3つが考えられます。
炭水化物の過剰摂取
小麦の食事に限らず、米や蕎麦、豆類などを食べる際に、自分にとって適切なカロリーを超えると炭水化物の過剰摂取となり、血糖値急上昇の原因となる可能性があります。
ただ、誰でも食事を取れば血糖値は上昇するため、多かれ少なかれ眠気を感じることは正常な身体の反応とも言えます。
GI値
炭水化物には様々な種類があり、炭水化物の種類によって消化・吸収の速度が変化します。この食品中に含まれる炭水化物の吸収の度合いを示すものをGI値 (Glycemic Index) といいます。
GI値が高いと血糖値が急上昇し、GI値が低いとおだやかに上昇することを示します。GI値は低・中・高の3段階で大きく分類されます。下記にGI値別に食品を分類しました。
低GI (55以下) | 中GI (56~69) | 高GI (70以上) | |
穀類 | 蕎麦、スパゲッティ、春雨 | 玄米、全粒粉パン | 白米、パン、餅、煎餅、うどん |
果物 | 林檎、苺、メロン、みかん | パイナップル、柿、ぶどう | ジャム、缶詰 |
野菜 | キノコ、ピーマン、大豆 | さつまいも、かぼちゃ | じゃがいも、里芋、人参 |
乳製品 | 牛乳、チーズ、ヨーグルト | アイスクリーム | 練乳 |
上記表より、白米やパンはどちらも高GIに分類されていることから、大きな分類で見れば米もパンも血糖値が上昇しやすいことがわかります。
一方で、測定する品種や装置によってデータの前後はありますが、白米よりもパンの方が5〜10程度GI値が高くなる傾向がありました。
血糖値スパイク
血糖値スパイクとは、急激に血糖値が上昇、下降を繰り返している状態を呼びます。血糖値スパイクは、強い眠気を引き起こすだけでなく、膵臓へダメージを与える可能性があります。膵臓の機能が低下すると、インスリンの分泌量が減少し、糖尿病を発症する危険性もあります。
血糖値スパイクを防止するためには、血糖値が急上昇しないような食べ方が重要です。これは『時間栄養学』という分野でも詳しく研究が行われています。(詳しくは、農研機構のサイトをご参照くださいhttps://www.naro.go.jp/laboratory/nfri/introduction/chart/0203/chrononutrition.html)
血糖値が上がりやすい、炭水化物から摂取せず、野菜、キノコ、大豆食品、汁物から食べることで、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。また、食事は抜かず、空腹を感じた時は少しだけキャンディーなどの糖質を取るなど、低血糖状態を作らないことも重要です。このように、血糖値は可能な限り均一に推移させることが健康上重要となります。
食後に眠くならないための方法
低GI食品を選ぶ
血糖値を緩やかに上昇させることで、インスリンの働きが正常になり、眠気を感じることが少なくなります。そのため、白米を玄米に変える、食パンを全粒粉食パンに変えるなどが効果的です。
また、食材ごとのGI値などもWEB上で公開されているため、GI値を考慮した食品選びを行うこともオススメです。以下の記事にオススメ低GI食品を紹介しているので、興味のある方はご覧ください。
食べる順番を変える
炭水化物から食べると血糖値が急上昇するため、野菜、肉・魚、汁物・ご飯の順に食べることで血糖値上昇が緩やかになります。
また、朝食を抜くと低血糖状態となり、次の食事で血糖値が急上昇します。そのため、可能な限り3食食事を取ることが理想です。
炭水化物の摂取を控える
炭水化物の過剰摂取は血糖値の上昇を招くとともに、胃にも負担がかかり血液が胃に集中します。炭水化物はもちろん3食取り入れるべきですが、取りすぎは控えましょう。
適度な間食を取る
眠気は血糖値の急上昇からの急降下によって引き起こされます。そのため、可能な限り血糖値を一定に保つことが理想です。食事を取らないと血糖値は時間経過とともに低下していくため、数時間おきに低GI値の間食を取ることで、血糖値が安定し、血糖値の乱高下を避けることができます。
まとめ
小麦粉で眠くなる理由は、小麦を含む食品はGI値が高く、血糖値が上がりやすいことが原因ということがわかりました。
また、小麦に限らず白米や餅、うどんなども同様に眠くなりやすいことから、小麦粉が特に眠くなりやすいわけではないことがわかりました。
低GIの食品を取る、食べる順番を野菜からに変える、腹八分目で食事を終えるなど、自分に合った方法で食生活をより良くしていきましょう!
ここまでご覧いただきありがとうございました!